

はじめに…1958年、フェリックス・バンケル博士と独NSU社によって「バンケル型ロータリーエンジン」の試作が成功すると、世界中の自動車メーカーはこぞってロータリーエンジンの実用化に乗り出した。ロータリーエンジンには理論上、「小型・軽量」「高出力」「低振動」「滑らかな出力フィール」などのすぐれた特徴があり、次世代の夢のエンジンと考えられたからである。
しかしその実用化に向けては数々の難問が立ちふさがり、またオイルショックの影響などもあって各メーカーは次々とロータリーエンジンの開発から撤退していくことになる。結局、実用化に成功したのは本家NSUを除いては日本の東洋工業(現・マツダ)だけであった。(実用化直後にNSUは経営が悪化し、フォルクスワーゲン・グループに吸収合併されることとなったため、事実上ロータリーエンジンの実用化に成功したのはマツダだけといっても過言ではない)
現在、ロータリーエンジンを搭載した市販車はマツダに一車種あるのみで、ついに一般化はならなかった。しかしロータリーエンジンの機構には不思議な魅力があり、またその開発にかけたエンジニア達のドラマにも大いなる興味をそそられる。ここではそんなロータリーエンジンの仕組みとその歴史について見ていくことにしたい。

現在のマツダ製13B型ロータリーエンジン
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